nine months of pregnancy. / MIKI Yoshihito

妊娠期間のマッサージや鍼は可能です

体重が増え身体バランスが悪くなるため、痛みが発生しやすい。特に腰、股関節、脚。
妊婦に腹臥位(下向き)は望ましくないが背臥位も長時間はつらいので座位か側臥位(横向き)で行います。

妊娠第一期(妊娠初期の3か月)
・乳房が敏感になっていなければ通常のポジションで良い。⇒当院ではバストマットがあります。
・特定の臭いの好みが変わるのでエッセンシャルオイル等、使わないことが推奨されています。⇒当院は元々、使いません。
・頻尿。プロゲステロン分泌により膀胱平滑筋弛緩により頻尿に(大抵妊娠第二期には始まる)⇒遠慮なくお手洗いへ。
・便秘。プロゲステロン分泌、大腸平滑筋弛緩により活動が弱まり、さらに大腸から水分が今までより吸収されるため。
また、子宮が大きくなり大腸を圧迫することも原因で妊娠期間中、続くことがある。⇒本来はマッサージや鍼で便秘は改善することが多い。妊娠中も改善の可能性は有り。
・血圧低下。最小血圧の低下が見られる。プロゲステロン分泌により血管壁が弛緩されることで起こる。妊娠中の女性は長時間立っているとフラフラしたり倒れたりすることがある。⇒これはご自身で気を付けてください。
・筋骨格筋の変化。リラキシンの分泌によって関節包、靭帯、筋膜にコラーゲンが合成され、間接の弾力性が増す。これにより関節の動きが大きくなり、腹部のスペースが広がる。関節のゆるみは全身の関節にみられるが特に恥骨結合部や仙腸関節など骨盤の関節が大きく緩む。また、足首も緩む。

妊娠第二期(4~6か月)
・リラキシン分泌により骨盤が広がる。
・関節が不安定になる。安定させるために脚や臀部、股関節屈筋に無理な力がかかり緊張や痛みが生じる。
・体液のうっ滞による浮腫が起こる。妊娠中の約40%にみられる。子宮と子宮内の内容物などによって身体構造が変化することにより静脈圧が上昇し浮腫が生じる。⇒妊娠中は体液の分配を正常に保つのが難しいのでリンパマッサージは避ける。
・胎児が成長し、大動脈と下大静脈が腰椎に圧迫されると仰臥位(上向き)低血圧症が起こる。⇒マッサージ等、横向き推奨。
・息切れ。胸郭構造、横隔膜、生理上の変化が組み合わさって起きる。

妊娠第三期(満28週~)
・胎児の体重が増加、妊婦の姿勢、内臓位置の変化などで様々な症状が起こる。
・内臓が上下に押され、横隔膜の動作が妨げられると首や肩の筋を使った呼吸になり、呼吸が苦しくなったりする。
これらの症状はマッサージで一時的に緩和させることができる。

・施術中、楽なポジションがみつかりにくい場合、妊婦さんに楽な姿勢を探してもらいます。
マッサージは快適さを与えたり、体液の循環を促し全身マッサージにより体調はよくなり快適な睡眠ができるようになる。

分娩
・分娩初期のマッサージはリラックスにより分娩が楽になる。⇒当院で分娩や出張は行っていないので・・・
・出産後のマッサージは、妊婦の体を正常に戻すのを促し、新生児の世話のストレスをやわらげる。⇒出産後は通常入院中なので旦那さんによるマッサージでしょうね。プロのマッサージとは違って心理的効果が大きいと思います。

産後うつ病
出産した10人に1人の割合で起こる。
産後のホルモン変化、妊娠と出産のストレス、睡眠不足、保護者としてのストレス、周りのサポート不足、その他さまざまな要因によって起こる。産後うつ病は赤ん坊の発育にもよくないとの報告が多くある。
産後うつ病の治療は多くあるが、マッサージも効果的である。
エクササイズは産後の母親には時間もエネルギーも少ないこともあるが、一番強い抗うつ薬と同じ効果があるとされている。1日10分のエクササイズでも目に見えるほとの違いが見られる。

板宿鍼灸整体院では、60分以内で妊婦さんには行いたいと思います。
予約の際、妊婦であることを事前にお伝えください。
産科に精通しているわけでは御座いません。何か疾患の疑われる場合は産婦人科へお願いします。
いつ分娩が起きるかわからない頃は、安全のためご遠慮ください。

以下の書籍を参考に書いています。また、追記もあるかと思います。