Phot-license蘋果日記

トリガーポイント療法で現在普及しているのは「鍼」「マッサージ」「注射」です。
時々、トリガーポイント注射に通われている方や経験のある方に聞かれますので今回のお題にしてみました。ワクチン等の注射ではありません。筋肉由来の痛みに対する治療法の比較です。

結論

鍼も注射も同程度の効果がある。注射は製薬会社が公表している通り、副作用の発現が可能性としてある。
そういった意味で鍼が推奨される。

板宿鍼灸院の場合はトリガーポイントのみに鍼を刺鍼ではなく、整体マッサージの後に鍼を刺鍼というスタイルで原因のある筋肉やその筋肉に影響のある筋肉など、人体を広くみて治療します。

<備考>
病院での検査機器では筋肉が痛みの原因である場合、レントゲンにも写らなく血液検査でも分からないですが、危険な痛み(内臓の病気等)を除外できる意味で有用です。

参考文献 2件↓

鍼治療の有用性を明確にする目的で、頚肩部痛を有する患者33 名を対象として、自覚的痛み部位に対して鍼治療あるいは局所注射を行い、その効果を比較検討した。その結果、治療の直後効果、治療の継続による効果、および治療終了後の持続効果において、いずれも鍼治療群で有意に良好な結果を示した。これらの結果から、自覚的な痛み部位を考慮した鍼施術は、一般的に有効とされている局所注射と比較しても、より有用な治療法であると考えた。
ランダム化比較試験による頚肩部痛に対する鍼治療と局所注射の検討

複数のトリガーポイントが同一筋に存在する場合に大量の薬液を筋内に注射することが問題とされてきた。そこで、注射液を用いない針(dry needling)や鍼刺激が推奨されるようになってきた。最近の筋筋膜性疼痛患者に対するトリガーポイント注射の臨床効果を調べた成績は、各種の局所麻酔薬、ステロイド、ボツリヌス毒素Aのいずれを用いた注射群も生理食塩水を注入したプラセボ群以上の効果はなく、また薬液注射群と鍼刺激群との差も認められていない。

鍼刺激が薬物注射と同等の効果を示すことは、薬物の作用とは別のトリガーポイント不活性化の機序が存在することを考える必要がある。また治療に際しての安全性を考えた場合には当然のことながら鍼刺激のほうが推奨される。

参考文献
1)川喜田健司監訳.トリガーポイント鍼療法.医道の日本社,1995
2)川喜田健司,岡田薫,伊藤和憲.トリガーポイントに関する研究の現状と諸問題.日本歯科東洋医学会誌2002;21:24_31
加茂整形外科医院